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高森明勅
2024.5.30 11:34皇室

亡き母の故郷、倉敷市真備町に天皇·皇后両陛下の行幸啓を仰ぐ

5月25·26両日、天皇·皇后両陛下におかれては、
わが郷里、岡山県を訪れられた。

昭和の2大行幸啓から平成の3大行幸啓、
更に令和の4大行幸啓へと増えて来た、両陛下お揃いでの
恒例の地方ご訪問の1つ、「全国植樹祭」へのご臨席の為だ。

改めて言う迄もなく、全国植樹祭は昭和時代から行われて来ている。
ちなみに、もう一つ昭和時代から行われて来た
国民体育大会は、今年から「国民スポーツ大会」に名称が変更された。

全国植樹祭は26日に開催された。
この度はご即位後、初めての岡山ご訪問であり、
前日にも地元の人々との触れ合いの場が用意された。
伊原木隆太·県知事らの出迎えを受けられた後、
県立岡山工業高校を訪れられて、生徒たちとの交流の機会も持たれた。

陛下からおことばを賜った生徒の1人は、
テレビ局のインタビューに「20年後、30年後、次は立派な
土木技術者としてお会いできたらと思います」と答えていた。

地元にいる私の下の弟達もこの日、両陛下を奉迎する人々の
輪に加わった。かなり多くの人が集まっていたようだ。
翌日は、ジップアリーナ岡山(岡山県総合グラウンド体育館)での
植樹祭の後、わざわざ倉敷市真備町にまで足を延ばして下さった。
これは同町が、平成30年に大きな被害を出した
西日本豪雨(6月28日〜7月8日)の被災地だった為だ。

真備町は亡き母の故郷だった。被災後の同年9月14日に、
当時は天皇·皇后でいらした上皇·上皇后両陛下が
お見舞いに訪れて下さったニュースに触れて、既に身体的な衰えが
進んでいた母は心から喜んでいた。その姿を鮮明に思い出す。

現地では伊東香織·倉敷市長が復興状況のご説明に当たった。
更に、地元住民ともご懇談の時間を取られ、復興に尽力した
人達をお優しく労われた。

この時は、上の弟も仕事が休みだったので、
奉迎の為に出かけたようだ。
両陛下が乗られたお車を間近に拝し、「感動した」と伝えてくれた。
私と違って寡黙な男なので、よほど心を動かされたのだろう。
やはり人出の多さが印象に残ったようだ。
もし母が存命であれば、どれだけ喜んだだろうか。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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